「一応」という込められた心理と使わない方がいい理由

一応、という言葉、人によっては良く使う言葉だと思います。「一応」やりました、とか、「一応」提出します、とか。この「一応」という言葉、あまりいい言葉ではないので、使わない方がいいと考えてます。なので、そんなことをば。

この、一応、という言葉、どういうときに使っていますか?「うまくできたぜ!」とか、「会心の出来だ!」というときに、「一応」できました、とは使いませんよね。やっぱり、「一応」という言葉が出てくるのは、なんとなく自信が持てないときややっつけてしまた時に、「一応」という言葉を使います。「とりあえず」、「とりいそぎ」というのも似たような言葉で、同じような文脈で使われます。

実際、聞いている方もその心理状態やニュアンスはわかります。受け取ることは受け取るのですが、あまりいい気持はしません。やっぱり、持ってこられるほうとしても、内容に不安ができてしまうからです。そのため、受け取るほうも微妙な気持ちで受け取ることになり、提出物について変な先入観を持ってしまいかねません。なので、「一応」という言葉は避けたほうがよいでしょう。

とはいえ、自信がないときに、自信があるような顔もできないし、受け取るほうも自信満々でもってきたのが、実はいけていなかった、というとそれはそれで困ってしまいます。

じゃあ、どうするか、というと不安な部分を具体的にして伝える、という方法があります。「一応」と言ってしまうのは、不安なんだけど、具体的にどういう理由でとかどこが不安か、ということが明示されていない、というところが問題です。なので、例えば、~の部分が自信がありません、とか、今回は初めてなので不安です、とか、期限がタイトなので細部まで行き届いていません、とか、具体的な形に置き換えてみたほうが、与える印象はよくなります。特に、具体的な個所を明示すると、見る方もそこを重点的に検討することができるので、結構、ありがたかったとします。

どうしても、具体的な不安が明示できない場合は、「一応」とか言わない、というのもあります。作った方として提出物に対して、不安を持ってしまう、ということもあるでしょう。もちろん、明確に不安があればそれを伝えるなり、そもそも、不安を解消してから提出するべきですが、そこが特定できないということもあります。そういう時は、「一応」とか枕詞はつけず、「できました。」とか「よろしくお願いします。」だけ言ってお渡しすればいいと思います。

というわけで、つい言いたくなってしまう「一応」。ただ、一般的には言葉にして得になることはありません。もちろん、深慮遠謀の末に「一応」とつけるような特殊な状況はあるかもしれませんが、そう多くはないので、やはり「一応」という言葉は封印してしまう、ということがよいでしょう。

 

 

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