アルジャジーラから世界をのぞく(6)~ガンビアトラベルショック

ガンビア、ここ、どこにあるかご存知ですか?西アフリカにあり、セネガルの中に一筋線のように細長く広がっている国です。ガンビアの大統領選にて少しごたごたしましたが、その影響をもろに受けた産業があります。

ガンビア大統領選

2016年12月ガンビアにて大統領選が行われました。結果は、新人であるアダマ・バロウ氏が現職のヤヒハ・ジャメ氏をやぶり大統領として選ばれました。実に、20年近くのジャメ氏の統治もその時点で終わったのです。ところが、このジャメ氏、往生ぎわがわるくなかなか退陣しません。ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)もジャメ氏が退陣しないと派兵する、とも言いだして、一時は武力衝突か、というところまできました。結局はジャメ氏1月下旬に退陣し赤道ギニアに亡命し、終息を迎えます。

参考:Wikipedia:ガンビア(2017年4月14日)

その影響は旅行業界に

大統領選をめぐり、ガンビア周辺は一時、緊張感に包まれました。その影響を思いっきり受けたのが、旅行業界。本来であれば、2月~3月はガンビア旅行のピークシーズンです。というのも、ヨーロッパ人が母国の寒さから逃げだし、暖かいガンビアの太陽のもとにやってくるからです。

ところが、この大統領選のごたごたでヨーロッパ諸国の大使館がアラートをだし、ガンビアへの渡航を控えるよう勧告します。そのため、せっかくのピークシーズの時期であっても観光客は全然やってきません。観光業はガンビア全体の収入(budget)の20%程度を占め、数千人もの雇用を生み出しております。それが振るわなくなってしまったので、経済に与える影響も甚大です。

具体的な状況としては、例えばお土産で彫物を売っているおじさんは、以前は週に300USDかせいでいたのに、今(記事掲載時)は 20USDしか稼ぐことができません。ホテルの予約も98%占有されていたのが、0まで落ち込みます。ワニ園もかつへは1日600人くらい来場者がありましたが、今では20人くらいとなっております。

このように、ガンビアの観光業は大統領選のごたごたにより大きく打撃を受けました。とはいえ、ジャメ氏はすでに退陣し、ようやくこの騒動も落ち着きを見せているところから、徐々に観光客も回復するのでは、という見込みとなっており、記事の中ではオランダからきた観光客も登場します。

親記事リンク:http://www.aljazeera.com/indepth/features/2017/03/gambia-reviving-tourism-industry-170313122806481.html

海外旅行と平和

このように一つの国で混乱、緊張があると、旅行に大きく影響を与えます。つまり、旅行は基本的に生活必需的なサービスではないので、都合が悪くなるとあっというまに回避されてしまうのです。安定的に観光客を呼び込むためには、できる限り混乱、緊張をおさえ安心してその国に訪問できるようにする必要があります。多少、危なくてもビジネス目的だと渡航したりもしますが、観光だとそうはいきません。

少し、話はそれますが、海外旅行で人を呼び込むには平和であることが必要です。かつては、シリア/イエメンはそこそこ安全で個人で旅行することができました。この記事を書いている時点では、物騒すぎて旅行どころではありません。ガンビアについては大統領選も終わり落ち着いたところなので徐々に観光客が増えていくことでしょう。その他、世界が平和になり、どこに行くにも安心て旅行できる、という日がくることをまっています。

 

 

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