公認会計士が勧める、税務を勉強するために読むべき書籍(4)~ひとり社長の経理の基本

前回は、事業承継、という割と特殊なテーマを扱ったので、少し、基本的なテキストに戻ります。今回、とりあげるのは、「ひとり社長の経理の基本」という本です。ブロガーとしても有名な井ノ上さんが書かれている本なので、ご存じの方も多いのではと。

本書は、もともとはひとり社長、つまり、フリーランスで仕事をしている人がどのよう経理を進めていくか、ということを書いた本です。意図として、ひとり社長だと、どうしても経理的なところがおざなりになる傾向があるので、フリーランスであったとしてもきちんと経理的をことをすべき、ということです。

本書では、「集める」、「記録する」、「チェックする」、という3つのステップで、会社の経理を遂行し決算書を作るということを書いています。また、その決算書をもとにどういうふうに申告書にまとめていくか、ということを最後のほうに書いています。つまり、最初の取引が発生し証拠資料を入手してから、経理の最終成果物である申告書の作成までのプロセスがのっています。「ひとり」でない場合もベースは一緒であるので、この本を読むことで経理プロセスの全体がつかめるようになることでしょう。

本書では、経理を組んでいくプロセスの中で、どういった観点から経費を計上するか(証拠だけではなくその支出を会社の経費する理由が必要)、ITの活用による効率的な経理術、決算書の見方、節税方法及び節税しすぎることの弊害等、の社長がひとりで経理を組む上でしっておいたほうがいいことが満載しております。

どうしても、会計事務所にいると、記帳をして、決算を組んで、申告する、という手を動かすところに注目がいきがちです。それはそれで大切ですが、決算書の作成をどう効率化するか、作った決算書をどう使うか、というところがおざなりになりがちなので、この本を見ながら少し、そういった点も心がけていければ、と考えております。

会計/税務/監査