詐欺師に悪い人はいない

世の中には詐欺に会う人は結構多かったりしもします。他者からみたら、「なんであんなのに引っかかるのだろう….。」と、思われるケースも多いのです。そこには、人の心理的メカニズムがあるので、そこについて考えてみたい、と思います。

ずばり、詐欺師の方は人の心に入り込むことがうまいのです。

まず、知り合うとき、というのは、わざとらしくなくエレガントにしりあってきます。押し売りみたいに、いきなり家にやってきて、「~買いませんか。」みたいことはいいません。セミナーの席や婚活パーティーの場など、初対面でも割とスムーズに人間関係を構築できそうなところで知り合うところから始めます。

そうしておいて、しばらくは人間関係を深くする、ということをしていきます。そうして、徐々に色々なところに布石を打っていきます。投資詐欺なら、投資を活発に行い、もうかっているようにふるまいます。また、イベント等会う機会を設け、その人のイメージをどんどん、刷り込みます。結婚詐欺なら、デートや甘い言葉を重ね、相手をどんどんその気にさせていきます。もちろん、外見 / 身のこなしは抜群で、魅力的だ、とか、颯爽としている、ように見えます。詐欺師として一流であればあるほど、自分をよく見せる技術には長けているわけです。そうすることにより、人間関係がどんどんと密接になります。

詐欺師が狙っている人の心がある程度開いたところで、いよいよ勝負にでます。投資であればおいしそうな投資案件に誘います。結婚詐欺なら、「事業をしたい。」とか、なんとか、言って、お金を引っ張り出そう、とするわけです。この段階にいたると、心がぱっくりと開かれています。そうして、「この人の言うことなら間違いないか。」と思い、つい、財布のひもを緩めてしまう。緩まったところで、お金を持ってドロン。もしくは、さらなる罠に引きずりこみ、どんどんをお金を抜いてしまう、ということになります。

ポイントは、この手の詐欺師は自分のことをよく見せ人の心に入りこんでくることです。だまされる人から見れば、いい人に映っています。なのでよく、ひっかかった人が「そんな悪い人に見えなかった。」と後になっていうことがあるのですが、それこそが詐欺師の腕のみせどころで、決して自分のことは悪くみせないということとなり、表題の「詐欺師に悪い人はいない。」となるわけです。

ちなみに、第3者的から見るとだまされたところだけ切り取ると、「なんでそんなことに引っかかるのだろう。」と思うことがあります。ただ、この手の詐欺は、知り合い、人間関係を深め、そこからお金を抜き取る、という一連の手順になり、その手順がエレガントであればあるほどこから抜けるのは結構大変なのです。

対策もなかなか難しいところはあるのですが、だましの場面に入るとどこかでおかしいこと、つじつまがあわないこと、がでてきます。投資案件でいえば、なんでこのスキームで儲かるのだろう、とかね。だいたいは、そのおかしなことに気づきつつも、「彼が行ったことだし。」で流されてしまうのですが、そこをぐっとこらえて、微細なつじつまやおかしいなと思う直感を大切にすることが必要です。

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