システムを業務に、ではなく、業務をシステムに合わせるべき、、その心は

業務管理についてシステムを導入する、という向きもあるかと思います。その時、既存の業務と新たに導入するシステムの間で矛盾が生じることがあります。一般にシステムを業務に合わせるようにしますが、実は逆のほうがいいのでは、というのが今回のテーマです。

まずは、カスタマイズは案外とお金と時間がかかります。パッケージになっているものをそのまま利用するのであれば、カスタマイズのためのお金はかからず、ソフトウェアならソフトウェアの購入費用とセットアップ費用がかかるだけです。また、時間もセットアップに多少の時間がかかるだけで、すんなりとすすめます。ところがカスタマイズをすると、その分の費用や時間がかかります。カスタマイズ部分は自社利用のためだけなので、標準化はされておらず、また、開発行為にはバグやエラーはつきものなので、そういった対応にもやっぱり費用や時間もかかります。

もう一点は、システムの構成について部分最適になって、全体最適になりにくい、ということがあります。つまり、システムの対象領域が広ければ広いほど、それにかかわる部門やメンバーが増えてきます。それぞれが、既存の業務、既存のやりかたを守ろうとすると、どんどん、カスタマイズすることが必要となってしまいます。そうすると、部分部分は各部門が納得するものができても、全体としては、なんとなくちぐはぐな、あたかも鵺みたいなシステムができあがってしまうということになりかねません。

その他、パッケージをそのままにしたほうが、バージョンアップも楽です。特に、会計・税務の世界は毎年のように改正があるので、システムもそれに対応できないと辛い。パッケージをそのまま使えば、ソフト会社が大本のバージョンアップをしてくれるのですが、独自システムだと自分自身でバージョンアップしないといけなくて、その負担は結構なものとなることでしょう。

システムに業務を合わせると、そういった不都合はなくなります。そのまま、入れたほうが、システムのメリットを享受しやすくなるし、メンテナンスのコストもそれほどかかりません。そうこう、考えると、パッケージをそのまま入れたほうがいいのです。とはいえ、自分の業務のやり方を変える、というのは負担がかかるところであるし、それをもとに色々と反対する人もでてきます。でも、それは一時の痛みでありそれを乗り越えることにより業務改善が図れるというところをふまえ、できる限り将来のメリットを取るようにすることが望まれます。

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