ストレーツタイムズからアジアをのぞく(3)~シンガポールの教育制度と日本企業の人材調達

ストレーツタイムズ、こちらはシンガポールで発刊されている新聞となります。というわけで、シンガポールの話は若干多くて。今回も、シンガポールネタです。それと、日本とのかかわりについて、書いた記事があったのでそちらを紹介します。

日系企業によるシンガポール人の採用

パナソニック、NEC、それにWorks Applic等々の日本の企業が、シンガポールでの人員の採用、インターンや研修の実施について積極的に行っていると報じられています。例えば、NEC(アジアパシフィックの地域統括本部をシンガポールに置いている)は2年間の特別研修プログラムを開始しました。それに伴い、9人の従業員を採用し、今後は20人以上採用する見込みです。

背景として、シンガポールの人材育成状況にあるようです。ここで、採用されている業種はIT部門です。最近の言葉だとIoTといいますよね。シンガポールにはR&Dセンター、公的なリサーチ機関、世界的な有名大学等たくさんあります。またEDB(シンガポール経済庁)はサイバーセキュリティにかかるプログラムも実施しています。そんなような背景からITに明るい人材が次々と生み出されているようです。

日本企業においても、そういった背景のもと、シンガポールでの採用訓練を強化している、とこの記事は奉じています。

親記事リンク:http://www.straitstimes.com/asia/east-asia/singapore-a-talent-hub-for-japanese-companies

シンガポールの教育制度は

それでは、こういった人材を生み出す基礎となるシンガポールの教育制度はどうなっているのでしょうか。まず、原則として、小学生6年、中学生4年、高校生2年となっておりますが、中学校、高校についてはそれより長くなるケースもあります。また、バイリンガル教育を重視しており、英語の他、各人の母語(中国語、マレー語、タミル語)の授業があります。

それと特筆すべきは、「 小学校6年生終了時に初等教育修了試験(PSLE)が行われ、また中学校卒業時と高校卒業時には、それぞれ GCE””N””(Singapore-Cambridge General Certificate of Education Normal)または””O””(Ordinary)レベル、GCE””A””(Singapore-Cambridge General Certificate of Education Advanced)レベルの試験があり、その成績により進学コースが決定される。」ということで小学生の段階から一律で能力別に振り分けられてしまうことです。(ここまでは、外務省のウェブサイト参照)

他のウェブサイトを見てみると、このPSLEの段階で、大学進学するか技術系の学校に行くかが決まるようです。つまり、それだけ早くに人材の選別が行われてしまうわけです。このように厳しい教育制度をひくことにより、世間でいうところの優れた人材が生み出されてやすいともいえましょう。そして、そういった人材を採用すべく、日本の企業もシンガポールでの人材採用活動に力を入れている、というところでしょうか。

この制度、個人に対しては厳しいといえるのですが、逆にいうとすべての人が大学進学をさせるより適正にあった進路を選択させることができる、という面もあります。そのため、日本のように誰でもが大学を目指す、というより救いがある、ということもできるでしょう。

 

 

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