会計学とその近接領域への誘い(5) ~財務会計と管理会計

会計学とのその近接領域、ということで、今回は会計の種類について検討します。財務会計と管理会計というところを考えます。

それぞれの意義及び共通点

財務会計と管理会計、色々な定義があるところですが、わかりやすくいうと、まず、財務会計は企業の第三者に対して企業の状況を報告することを目的とする会計です。ここでいう、第三者とは株主、債権者、投資家、取引先、従業員等があげられます。他方、管理会計は企業内部で企業活動をコントロールすることが目的となります。例えば、予算で売上や利益を決めて、予算と実績を比較するようなことがあります。

それぞれの分野について、企業の活動を数字で表し、それを報告対象者に報告する、という流れになります。

財務会計の特徴

財務会計は原則、ルールが多々あります。というのは、財務会計は企業外部の第三者に報告することを目的としております。そうすると、自由きままに数字を作られると、他社との比較が難しくなるのみならず、企業全体の状況も適切に把握することが難しくなります。そのため、あらかじめルールを決めておいて、それを企業を守らせることにより、比較的外部者でも理解可能な数値を算出することができます。ということで、財務会計は原則、ルールに沿って処理を行うということが特徴です。

管理会計の特徴

管理会計は方法はありますが、するにあたり守らないといけないルールというのはありません。というのは、管理会計は企業が内部的に報告し、それを経営管理に役立てることが目的です。つまりは、管理会計の数値は企業の経営管理の方針に沿って自由に設定することができます。詳細に管理会計を行うも、管理会計を全く行わないことも可能です。管理会計の方法も色々ありますが、どこを採用するかは企業の判断にゆだねられます。

まとめ

会計学は財務会計、管理会計の2種類に分類することができます。両者とも、企業会計を数値で表したものですが、それぞれの目的は異なります。

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