傾聴を阻む、3つの罠とその克服方法は

傾聴、よく聞くことです。よく聞くことは大切だ、と言われることが多いです。僕も、なるべくは人の話を聞こうと努力していますが、やっぱり、むずかしい、と感じます。その難しさ、考えてみました。

まずは、人は話をしたがる、という傾向があります。つまり、人の話を聞くより、自分の話を聞いてほしい。なので、人の話をしていると、ついつい、遮って自分の話をしてしまう、ということがあります。特に、悩み相談で、解決策が見えると得々として話をしたくなってしまう、ということもあるでしょう。そうこうしているうちに、相手の話をよく聞けず、相手がモヤモヤした気持ちのまま、会話が終わってしまう、ということがあるでしょう。

後は、話を聞いていること自体につかれてしまうとき。同じことの繰り返しだったり、話の内容がネガティブなことだったり、話が長ったかりすると、聞いているうちに徐々に疲れてきます。自分が疲れるにしたがって、話の聞き方が雑になったり、つい話を打ち切ってしまったり、ということもあるでしょう。こうなると、傾聴という状況からはほど遠くなってしまいます。

一番、傾聴が難しいケースは、自分に矛先が向かうとき。自分の行為がなじられたり、失敗をして責められたりしているときは、話をじっくり聞くということは極めて難しいです。話を聞くときに、自尊心を傷つけられたり、防衛本能が働くため、言い訳、弁解をしたり、話を打ち切ってしまったりもします。自分が聞ける体制ではないので、傾聴は夢のまた夢、となってしまいます。

こう見てくると傾聴は非常に難しい。特に、自分からの距離が近くなればなるほど、傾聴は難易度があがります。胸に手を当てて考えてみると、「自分は人の話をよく聞いているなー。」という人は、案外少ないのです。

とはいえ、相手との人間関係を堅固かつ親密なものにするためには、その人の話をよく聞く、ということが必要です。よく聞くことによりより最適な解決策が見つかることもあります。また、話しているうちに勝手に先方で問題を解決してしまう、ということもあるでしょう。あと、話を心ゆくまでする、ことにより、それだけで心が軽くなります。なので、傾聴はやっぱり大切。

じゃあ、どうすればいいのか。まずは、傾聴は大切だが難しい、ということを認識することが第一歩。それと、ここ一番、必要だと思った時は腹をくくって話を聞くことです。ある程度時間をとって、心を入れて聞く覚悟をすれば聞くことができます。もちろん、どうしてもしんどい時はある程度まで聞いて、勘弁してもらう、ということも必要かもしれません。

ちなみに、解決策は出さないほうがいい、と言われることはありますが、解決策は出した方がいいです。話をあまり聞かずに解決策を出すことは問題ですが、話をある程度聞いてから解決策を出せば、受け入れてくれることもあります。この場合、「この解決策をとるべき。」というような強い気持ちではなく、採用するかどうかは相手にゆだねるようにしたいところですよね。

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