「できる」、ことと、「教える」ことは違う

物事ができる、ということと、物事を教えることができる、ということは大きく違います。例えば、この文章を読んでいる人は日本人の方が多いと思います。そうすると、日本語は割と不自由なく使えると思いますが、日本語がわからない人に対して日本語を教えることができる人はすくない、ことでしょう。今回は、「教える。」ためにどうしたらいいか、考えてみました。

言語化をする

「教える。」ための第1歩は、「言語化する。」ことです。つまり、教える際には言葉を用いて原則や方法を伝える必要があります。それをもって、聞く側は教えられる内容を理解するわけです。この言語化、意外とむずかしかったりします。実は、「できる。」という状態は、言語を意識せず、なんとなくやっていることが多いです。

車の運転一つをとっても、運転している時に運転教本の内容を意識している、ということはないですよね。人に教えるときは非言語の領域にあることを言語として抽出する、ということが非常に重要となってくるわけです。

表現方法を多くする

一つの言い方、表現だとなかなか伝われないのでいくつかの表現方法をセットしてあげる。そうすると言わんとしている内容が伝わりやすくなります。

具体的には、厳密性を失ってもわかりやすい言葉にする、比喩を使う、具体的な事例を使う、数値を使うものであれば数値例を使う、図やイラストを使う、というように、いくつかの表現を重ねるといいでしょう。

表現の方法は相手や置かれている状況によって異なってきます。1対1であれば、話をしながら紙で図を書きながら説明、ということもできるでしょう。大勢の前で話をするならパワーポイントによるプレゼンテーション、もありますよね。

表現が重なることにより、よりよく理解をすることができるようになります。

聞き手に表現を合わせる

さらに、聞き手に表現を合わせる、ということが必要です。同じ会計のレクチャーをするにしても、初学者であれば専門用語はなるべく使わずに平易にわかりやすさを重視して教えます。逆に、ある程度の経験者であれば、専門用語を駆使しながら正確性を重んじながら講義をする、ということもあるでしょう。このように聞き手がどうしたら理解できるか、ということを意識することは大切でしょう。

教え方を学ぶ

どうしても人に教えたい、伝えたい、というがあれば、「教え方を学ぶ。」ということがあるでしょう。「教える。」、ということは「できる。」とは別の技能だ、とお伝えしたことがあります。ですから、その「教える」ということ学ぶわけです。

例えば、私が公認会計士の専門学校で講師をしていたときはその時の上司の方から講義の前に打ち合わせをして「どう教えるか。」ということを学んでいました。また、冒頭であげた日本語を教える、ということであれば、「外国人に日本語を教える。」ための講座というものもあります。

教え方を学ぶ、ということについては、その事象に特化したこともありますし、また、「プレゼンテーションの方法」というように、広く、人前で教える、という技術を学ぶ、ということもあるでしょう。

教えることを業としたい、ということであれば、教え方を学ぶ必要があります。

教える事象に対して深い知識と経験を

その一方として、自分が人に対して教えたい、と思うことについて深い知識と経験を持つことが必要です。一つの理由としては、教えることにより深みをつけるため。例えば、テキストをベースに講義をしたとしても、そこに書いてあることだけの知識しかないとどうしても教えることが浅くなってしまいます。特に、質問が出た時に、うまく答えられず困ってしまう、ということもあるでしょう。

もう一つの理由は、正当性。そのことを教える、ということについて知識と経験がないと、教えてもらう側としては不安になってしまいます。そのために、知識や経験(この場合は実績と言ってもいいかもしれませんね)を持つ必要があります。

まとめ

やっぱり、「できる。」ということと「教える。」ということはずっと違います。「教える」ことができるようになるためには、色々と留意することが必要です。一番手っ取り早いのは「教え方を学ぶ。」ということなのかも。

 

 

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