人事を考える際の難しさ

人事制度を設計する、ということ、ありますよね。他の制度設計と比べ、グッと難易度が上がるなー、と感じのが、この人事制度なのです。今回はそんなことをば。

1番の難しさが経営者と従業員の対立構造が発生しやすい、からです。時として、利益の取り合いになってしまう、ことがあります。つまり、給料が増えれば従業員の収入が増える反面、人件費が増えて会社の利益が減ってしまう、ということもあります。そう考えると、なかなか給料をあげにくい。その他の福利厚生制度も手厚くすればするほど利益は圧迫しますしね。これは、労働時間といってもそうでしょう。

対立構造を解消するためには、お互いの利益が増えればいい、ということがあります。つまり、利益全体を増やすことができれば、パイが増加するわけで、そうすればお互いの取り分が増加するわけです。これが達成できるようにうまく人事制度を組み立てる必要がありますが、それは難易度が高いわけですよね。

対立構造は利益の分配だけではありません。安定と変動のバランスがあります。従業員側は安定を求めまる傾向があります。それは報酬の額もそうですし、仕事の量もそうですし(繁忙閑散期の変動が多いのは辛い)、新しいことは厭う傾向があります。逆に経営者サイドからだと、給与は業績に応じて変動させたいし、仕事も受注や季節により変動しますし、新しいことも積極的にやってほしいと思います。このバランスも腕の見せ所です。

それともう一つ。人事制度は従業員のモチベーションに直結する、ということがあります。経営者がどんなにこれは大切だ、と思っても、それが従業員にとって負担やマイナスになることだと躊躇してしまいます。モチベーションを下げると、仕事の質が下がったりもするので、下がらないようにするにはどうしたらいいか、と考えることも必要でしょう。

それと、人事関係は法律が厳密で従業員にとって手厚い面があります。その法律に触れないよう、経営者がやりたい人事制度を作っていく、というのは、それはそれで難しい、ともいえます。

ということで、人事制度を考えるにあたっての難しさ、ということを考えてみました。次の機会にこれをどう解決していくか考えてみたいと思います。

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