専門家とはどうあるべきか、改めて考えなおしてみました

「専門家」とは、なんらかの専門性をもち、それを業とする人、と定義されます。そう意味で、ぼくの会計士/税理士というのも専門家の一人です。そこで、専門家としてどうあるべきか、ということを考えてみました。

まず、専門家、「専門」という言葉があるとおり、特定の領域について深い知見と経験を持つ、ということになります。その知識や経験により、それを必要としている人をサポートし、その代価を頂戴する、ということになります。専門家というからにはそれが一番大切でしょう。

そういった意味で、世間一般で専門家と考えられる弁護士やエンジニアも専門家ですし、村田沙耶香さんの書く「コンビニ人間」もある種の専門家、と考えられます。そういう意味だと、我々税理士は申告書の声を聞ける「申告書人間」になるがあるかもしれません。

次に、これは近年の動向ですが、専門的な知識や経験を一般の人にわかるように説明する必要があります。昔であれば、「先生お任せします。」と丸投げしている傾向もありました。ただ、今は、お客さんもそれなりに知識をつけていることもあり、きちんと状況や対策をわかるように説明する、ということが求められています。微細なところを説明する、というよりむしろ、大枠を噛み砕いて説明するというところでしょうか。

あとは、相手のことを思いやる共感力も必要です。相手は問題があって専門家に依頼しているのでまずは相手の問題を的確に把握することが大切です。そのためにまずはゆっくり相手の声に耳を傾け、問題の所在を把握し、また、相手の気持ちをなだめる。そこから、それにあった解決策を当てていくということが必要です。

さらに、他の専門家への敬意を払うということも大切です。結局、専門家はその高い専門性を維持するために自分の領域を絞り込む必要があります。そうすると、お客さんの要望全てに答えられるとは限りません。とすれば、時には他の専門家と連携してことにあたる必要があります。そうするにあたり、やはり他の専門家の領域について尊重する必要があるでしょう。

専門家という以上、専門的知識や経験は当然に必要です。それとともに、わかりやすい説明、問題の把握と相手の悩みへの共感、更には他の専門家の連携をする必要があります。自分も、専門家の端くれである以上、こういったことにも気を付けて日々の業務を遂行できれば、と思っています。

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