ということで、比喩表現のお話の2回め。百円玉の表と裏のお話です。実際に話す段に百円玉を取り上げることはないのですが、思いついたので書いてみます。
どういう用法を考えているか、、、というとこんな感じ。「百円玉、表には桜の絵が、裏には100という文字が書いてあります。この桜の絵と100という文字、両方を見ないと百円玉というものはわからないですよね。それと同じで、案件も表と裏からみると全体像が見えて適切な経営判断に資すると考えています。なので、あえて否定的なことを述べさせていただきたいと思います。」
これは、会計事務所の立場からお客さんが考えていることに対して反対意見を述べるときの前置きとして使います。そのとき、単純に反対すると、気分を害する可能性があるわけです。やっぱり、人間、自分の意見に反対されると嫌ですからね。なので、あえて反対すること、それがお客さんにとってプラスになること、を述べてから反対意見を話したほうが受け止めてもらいやすくなるからです。
気をつけないといけないのは、これは、経営判断に関することに対する反論の時に成り立つ、ということ。別のことだと、税務会計で意見が別れた場合にはこの前置きは使えません。つまり、経営判断の場合は、最終的にな責任は経営者にあり会計事務所にはないという状況だから、相手に判断を委ねることができる。税務会計だと会計事務所にも責任が発生するため、相手に委ねるような言い方はできないので注意です。
この比喩の残念なところは、話の流れがわかりやすいので、あえて百円玉とか言わなくても通じてしまうところでしょうか?ぼくも、この比喩を使おうかな、、と思ったのですが、後で、いらねぇか、、と思い直して使わなかったことがありますので。