会計学とその近接領域 (16) ~予算統制

会計学とその近接領域、今回は予算統制についてとりあげます。予算統制、制度的な議論ではなく、管理会計的な議論となります。

予算統制の意義

予算統制、これは短期(1年)~中長期(3年~5年)の損益計算書、貸借対照表を作成し、これにより財務数値の管理を行うことです。管理しやすいように部門ベースで予算を設定します。通常は、1年間の予算を立てるのですが、大規模な会社等であれば中長期の計画を立てることもあります。そして、予算を設定した期間において、予算と実績を対比し、その分析を行うことにより、業績の評価を行います。

予算を立てることにより、先を見通すことが可能になるということと、各部門、各個人での財務数値の管理が容易になります。差異を分析することにより予算の精度が高くなります。このように予算というツールにより、実績である財務数値を管理していくことになります。

予算の設定方法

予算の決め方はトップダウンをボトムアップの2つがあります。

トップダウンの場合は、経営トップがが売上はいくら、利益はいくら、という決め方をします。これだと、目標志向性が高まるので、経営トップが業績を引き上げたい場合には有効です。ただ、現在の状況や各部門の考えは考慮しないので、時として現実離れな予算案が作成されることになります。

ボトムアップは各部門が現状は将来見通しをふまえ、部門ごとに予算を集計し、それを全社の予算とする方法です。この方法だと、現実的な予算が設定されやすい反面、予算が部門の業績評価につながるため、若干保守的な予算ができやすくなります。

このように、トップダウン、ボトムアップいずれの予算設定方式も課題があるため、通常はミックスした感じで予算が設定されます。

予算統制の問題

予算統制から発生する問題としては、やはり、予算にしばられやすい、ということがあります。経営者のほうで予算必達とかいうスローガンが出されると、部門のほうでは、その予算を到達しようとして無理をすることがあります。もちろん、ある程度は予算を達成するために頑張る必要もあるのですが、それが行き過ぎて、例えば押し込み販売や粉飾決算ということが起こらないととは限りません。また、予算が余ると、予算消化と称して、必要性が低い経費支出が行われることもあります。このように予算を設定すると、それが拘束性をもってしまう、ということに注意が必要です。

まとめ

予算統制、これにより将来の財務状況を見積もり/目標設定し、これに基づき財務数値を管理します。トップダウン、ボトムアップいずれの方法も長所短所あるので、ミックスされることが通常です。ただ、予算だと拘束性ということがありますので、その点はご注意ください。

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