会計学とその近接領域 (21) ~ 会社法:会計との関連

会計学とその近接領域、今回は会社法と会計との関連を見てみましょう。会社自体は、株主や債権者に対して報告する義務があるため、財務諸表(会社法では計算書類等といいますが、以下では財務諸表と表表記することとします)。

財務諸表

会社法上作成を要請されている財務諸表は、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表があります。金融商品取引法で要請されている、キャッシュフロー計算書は作成を要請されていないことと、注記も会社法のほうが割と範囲が狭かったりします。

また、連結財務諸表について、作成を要請されるのは、有価証券報告書の提出を要請されている会社の身であり、その他の会社については作成は任意とされております。

金融商品取引法の要請と比べると会社法のほうが開示要請が緩やかになっております。これは、金融商品取引法が対象とする会社の方が、株式や債券が一般に多く流通し利害関係者が多くなることに基づいてい織ります。

会計処理/表示

会社法における財務諸表について、計算書類規則に定められております。

会計処理については、若干の規定はおいているものの、「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準その他の企業会計の慣行をしん酌」するものとされています。つまり、定めのない事項については、会計基準等に従って会計処理されることになります。

表示については、計算書類規則の第三編計算書類関係の第2章以下で定められております。有価証券報告書は財務諸表等規則という別の規則に基づき表示方法が決められるので、有価証券報告書に記載される財務諸表とは表示方法が若干異なります。

会計監査

大会社(資本金5億円以上、もしくは、負債として計上した額200億円以上)の会社は会計監査人による監査が必要となります。この、会計監査人がいわゆる監査法人、公認会計士に該当します。

金融商品取引法においても、株式上場をしている等について公認会計士/監査法人による財務諸表監査を要請します。

通常、金融商品取引法において財務諸表監査を求められている会社は会社法によっても会計監査人が求められるので、同じ監査人が並行して金融商品取引法に基づく監査と会社法に基づく監査を行います。

まとめ

会社法でも財務諸表の作成や監査について規制を定めております。金融商品取引法と重なるところと重ならないところ、識別することが学習するにあたり大切です。

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