かつての士業における紹介型営業とその終焉

紹介型営業、つまり、これは自分のことを知っている人からの紹介によって事業を行っていることです。そこには、得失はあるのですが、どちらかというと失の方が多いかもしれません。特に、昔々から紹介でやってきたということだと、これからは厳しいかも。今回はそんなことをば。

紹介してもらう、というのは、一見すると楽で甘美な響きがあります。つまり、紹介して貰えば、その分、営業活動をしないで済むので、楽ちんです。営業活動には一定のコストと労力がかかるので、それをしないで済む、というのは、だいぶ負担が減ります。特に、士業は営業が苦手な人が多く、営業しなくて済むなら楽ですよね。

ですが、そこには落とし穴が。実は、単純な紹介だとお客さんも仕事内容もコントロールが難しいのです。紹介でくるお客様を断ってしまう、ということになると、次から紹介が来なくなってしまうと思うと断れません。そうすると、業務の内容も選べず、全てを受け入れる、ということになります。お客さんも選べない、業務も選べないとなると、都度個別対応が求められることになり、業務効率が悪くなります。

それでも、一昔前、まあ高度成長期の頃はそれでも良かったです。なぜか、というと、業務の内容もそれほど細分化されておらず、また、どんどん紹介されるので、それを受けていれば自然とお客さんは増えていったから。網を広げて、そこに落ちてくるものをひたすら拾っていく、ということでビジネスが成立したからです。

他方、現在は、時代の流れとともに、業務が複雑化、多様化して、なかなか、手広く対応することが難しくなりました。また、供給する人も増えたので、特色がないとなかなか選ばれなくなってしまいました。なので、従来型の紹介だと難しいとなります。

もちろん、紹介そのものが悪いわけではなく、この紹介の内容をコントロールできるのであれば、問題ないというか、むしろ、売上の増加に対して良い影響を与えます。なので、紹介営業もそのあり方をきちんと見直して、自分が欲する顧客が目の前に来るようにすると良いでしょう。

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