「顔ハメ看板はまって3500枚」から学ぶ、個性の確立方法 

流行りごとを追いかける、というのは、結構、おもしろいものです。最近だと、ワールドカップが大流行りで連日、寝不足の方も多いのではないでしょうか。とはいえ、流行から一線を画す生き方、というのも素敵だと思うので今回はそんなことをば。

これは、日経新聞の平成29年6月29日の文化欄に掲載されていた記事です。題して「顔ハメ看板はまって3500枚」というエッセイです。顔ハメ看板、よく、観光地とかにある、絵が描かれた立て看板で穴が開いていて、そこから顔を出せるようになっている。で、顔を出したところから、パチリ、と写真をとる、あれです。

よくある反応としては、顔ハメ看板を横目で見ながら通り過ぎる、ことが多いかと思います(僕はこのタイプ)。たまに、カップルや家族連れが楽しそうに写真をとっていることもあるでしょう。どちらかというと、旅のおまけ、みたいなものです。

この、記事を書かれている塩谷さんは、表題にもあるとおり、この顔ハメ写真を10年にもわたって3,500枚程度の写真をとっている、というなんとも不思議な方です。最初のうちは、なんとなくおもしろくて、ぽつぽつとっていたものが、2008年からはまり込んで本格的に撮影に乗り出したようで、全国を転々としているようです。なんと、2015年には、顔ハメ写真の書籍まで出版する、というから驚きです。この顔ハメ写真から色々と面白いことが生れているようですが、詳しくは日経を手に取ってみてください。

ちなみに、実際の顔ハメの写真はじゃらんでも取り上げられているようで、こちらも興味のある人は是非!なかなか、シュールな世界が繰り広げられています。

若干、強引かもしれませんが、ここから学べることとしては、流行に惑わされず自分自身がやりたいことをやることによってこそ、個性が生れるのでは、ということです。僕も、40年以上、生きていますがその間、顔ハメ写真がブームになったことは一度もなかったと思います。そんななか、淡々粛々と10年以上写真を撮り続けることにより、3,500枚という、とてつもない枚数を達成した。流行とは別に、自分が好きと思うことを積上げ続けることにより、大きなことを達成する、ということがその人の輝くべき個性だ、ということができるでしょう。

もし、顔ハメ写真が流行したとしても、流行は一過性のものなので、この枚数には到達できなかった、と思います。結局、流行にのる、ということは、次々と生まれる流行に流され流され、後には中途半端なものだけが残ってしまうのでは。なので、流行が契機となって新しいことを始める、というのであればいいのですが、単純に流行だからといってそれに乗るのはどうかな。

正直にいうと、僕は顔ハメ写真にはそれほど興味は覚えないし、旅行に出かけても写真をとることはないだろうな、、と思います。ですが、こうやって、流行に流されず、自分のしたいと思うことをコツコツと積上げ、それを大きなものとする、それがまさに個性ですし時として人の心を打つものなのかな、、と思う次第です。結論としては、流行を追うことと個性を確立することは対極の関係にある、ということでしょう。

 

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