アメリカ大統領の任期にみる政治的合理性とは

アメリカの大統領の任期、結構、有名な話なので、ご存じの人、多いかと思います。実は、この任期は絶妙なバランスだと思うので、そんなことをば。

アメリカの大統領の任期は4年です。4年たつと大統領選があります。更に、連続して2期しか大統領になることはできないので、どんなに人気があっても8年でその人は大統領から降りなくてはなりません。

実は、この仕組み、個人的には、結構、絶妙かと思っています。

まず、政権が短命でポンポンと大統領が変わってしまう場合。1年、2年とかだと、政策を実施しそれをチェックし次につなげる、という一連の行為をするには短すぎるのでは、と思います。短い間に政策が変わると、実行する官僚も大変ですし、国民生活にも影響が出てしまいます。

外交にもあまりいい影響は与えないと考えられます。大統領や首相として、前会った人と別の人が来て、更に次に来る人は別の人、だと、混乱してしまいますよね。特に、政権が変わることが予見できると、ここでした議論や約束が反故されるのでは、と思い、深い話はしにくかったりもするでしょうし。

もう一方で、長ければいいのか、という議論もあります。 名君とよばれるような人が長期政権だといいのですが、暴君みたいな人が政治の主権を握ってしまった場合、 それを変えるチャンスがなくなり、暴君の圧政のもとにある状態がずーっと続いてしまいます。それを変えるには、革命的なことを起こすしかなくなり、血が流れることは避けられない、という状況でしょう。

その他、長くなることの弊害は、政権党が傲慢になり、思いあがることは否めません。また、「権力は腐敗する。絶対的な権力は絶対的に腐敗する。」という言葉もあるので、時には入れ替わりがあるほうがいい、のでは。

なので、とりあえず4年間は大統領として政権を担い政策を実行するというのは、ほどよい時間間隔なのかなと。それで、いったんは国民の審判を仰ぎ、長くても8年を超えないというくらいだと、短すぎず、また、長すぎない、かと思われます。

もちろん、政治制度はその国特有の事情や価値観はあるので、アメリカの制度が絶対的にいいとは、断言できないでしょう。とはいえ、任期の決め方には一定の合理性があると思うので、そこは取り入れてもいいのではないでしょうかと。

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