言うは属人思考、聞くは属事思考〜聞く編

属人思考とは「誰が言うか」を重視してそのことを受け入れる方法をいい、属事思考とは「どういうことか」というロジックを重視して受け入れることを言います。それぞれ、自分が受け入れる場合(聞く場合)と、人を説得する場合(言う場合)では、どちらを重視するかが変わってきます。今回は、聞く場合について考えてみます。

もう少し、具体的に属人思考と属事思考の違いを考えてみます。例えば、投資案件があり、これに投資するかどうかを決める場合、「あの人が勧めたから間違えはないだろう」として投資をするのが属人思考、投資案件の内容を考察して、「この案件ならいける」と思って投資をするのが属事思考です。

人間というものは、ほっておくと、属人思考に傾きがちです。この人が言ったからこうする、というのは、楽、なのです。いうことを信じて実行するだけですからね。ですが、属事的に物事を決めようとすると、主張を理解し、それが正しく、そして効果的であることを確認してからで実行できないので、結構、時間がかかってしまう。

ですが、属人思考というのは、ある意味で人に判断を委ねるわけで、それを言った人が誤っていたら、当然聞いた人も判断を誤ってしまいます。さらに悪いことに属人思考を悪用するのが、詐欺(特に投資詐欺)をする人です。投資詐欺をする人は、対象になる人と強い関係を結び「この人の言うことなら間違いはない」と言う精神状態にさせて、詐欺を働くわけです。あとから、話を聞く人が「なんであんなスキームを信じたのか」と思いますが、完全に信じ切ってしまったのでそう言ったことも起こりうるわけです。

ですので、ものを判断するためには属事的に判断することが大切です。つまり、情報は人から入ってきますが、その人が言っていることをきちんと精査し勘案してから信じるかどうか決めましょう。時間がないとか、どうしても属人的に判断せざるを得ない場合は、致命傷を負わない程度の判断しておきたいものです。

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