人の心は変わる、ということに対する社会的制度について

先日、述べさせていただきましたとおり、人の心はうつろう、ということは、人生の真理である、ということです。とはいえ、心が変わって、行動も変わられると困ることもできてしまうので、社会的に人の心や行動を変えない制度があります。それについて、考えてみましょう。

まずは、契約。これは、あらかじめ、ヒトの心が変わってしまっても、行動は変えられないようにしておくためのことです。例えば、大工さんに家を建てることをお願いする、ということを考えてみます。家を建てるためには、それ相応のお金や時間がかかります。ようやく完成して、依頼主が「やっぱ、家、いらねぇわ。」なんてことになったら、目もあてられませんよね。それを防ぐために、家を建て始める前に契約を結んでおきます。こうやって、事前に契約や約束をしておくことにより、お互いの行動を縛り、心変わりによる損失を防ぐようにします。

あと、結婚、なんてのもそう。結婚、あれだけ大きく準備やら式やらをして、色々な人に宣言するのは、どこかで心変わりさせないためなのでしょう。「恋愛」であれば2人の間の話なのでわりと離れやすいのですが、結婚してしまうと多くの人がからむので、なかなかそこから別れるということが難しくなります。結局、ほいほいと別れてしまうと、子育て等の活動が進まなくなってしまい、社会的に困ってしまうので、結婚という制度が出てきたと思います。とはいえ、結婚、やや制度疲労を起こしている面もあるので、新しい制度が必要かもしれません。

あとは、道徳や価値観。やっぱり、「心が変わらないことはいいことだ。」「長く続くことはいいことだ」という価値観というのは、なんとなく人々の心に存在しています。人との関係についても、「永遠の愛」とか、「固い友情」、とのもありますし、組織との関係についても、「忠誠心」ということもあります。このように、人間の本性が心変わりするものなので、それが、変わらせないようなことが道徳律としてあり、それで人間の心変わりを制限しているわけです。

というわけで、人の心は変わり得るものですが、それでは困る面もあるので、社会的に人の心を縛るような仕組みが点在しています。だからなんなんだ、という話ですが、そういう観点で社会の制度を見てみるのも面白い、のでしょうな。

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