マーケットだけでは戦略は決まらない

経営戦略を決めるにあたっては、マーケットの動向、というのは、非常に大きな決定要因です。とはいえ、マーケットだけで、戦略を決めるのはあまりにもまずい、と思います。今回はそんなことをば。

マーケットの動向というのは、やっぱり気になりますよね。経営学の授業やMBAのレポートを書くときでも、大体、マーケットがどうか、ということを軸に戦略を考えます。その商品やサービスが、時代の流れに乗っている、ということであれば心が揺らぎ、そこに参入しよう、と考えます。

もちろん、マーケットの動向はとっても重要なのですが、それだけではない、ということを論じるため、マーケット以外の要素も考えてみます。

まずは、先発か後発かということです。やっぱり、新しいマーケットや流行り物、というのは、早くそこに入ったものが勝ち、という面があります。先行者利得、というやつですね。先行者はどういう人か、というと、そのマーケットが人の口の端に乗り出す前に飛び込んだ人、なのです。つまり、「ここがお勧め」と言われ始めた時点では、もう遅い、、ということですね。

もう一つは、理念や在り方との関連でしょうか。いくら、流行りで売上が上がり、利益も出そう、、と言っても、それが自分たちの理念や在り方と相反するのであれば、それはすべきではありません。そうすると、軸がブレてしまい、どこに向かっているかわからない、ということあります。

それと、組織との適合性、というのもあります。いくら、ビジネスとして有望でも自分たちの組織に合わないことはしない、というです。別の言い方をすると、そのビジネスに入ることによって強みが発揮できるか、ということでしょう。ただ、この場合、注意しないと時代の流れに取り残されてしまう可能性はあります。

最後に、あえて衰退している産業に身を置く、という考え方もあります。つまり、マーケットは縮小しお客さんは減っている、、のですが、それと同じくらいのスピードで同業他社も退出したり消滅したりして、まあ、マーケットそのものはある程度は残る、ということであれば、なんとかやっていけると思います。とはいえ、マーケットが消滅し切ってしまうと、どうしようもないのですが。

つまり、マーケットの流れに乗るのも、あえて乗らない、どちらもあり得ます。特に自社の内部環境に照らして決めていく、ということになります。どちらがいいか、はその時点では判じかねる面があるので、進むも地獄、留まるも地獄、最終的には、えいや、で決めていくということになるでしょう。

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