会社や個人事業でお金の流れが見えないなーー、という人のために③~勘定あって銭足らずに陥る状況

先日、資金の流れと利益にはズレがある、、という話をしました。とはいえ、概ね、資金と利益は整合している、、ので、必ずしも問題になるとは限りません。じゃあ、どこで、問題になるの?ということが次の問いとなってきます。

安定的な環境だと、利益と資金のズレがあまり問題になってきません。安定的、、、というのは、手元の現金預金がある程度あって、売上は横ばい、利益は継続的に発生して、銀行借り入れもない、、というように成熟しきったような状態。そうすると、ほぼほぼ利益と資金の流れは一致してくるし、多少のずれがあっても手元にある現金預金で調整できるので、これだったら概ね問題はないと言えるでしょう。

じゃあ、問題があるときはどんな時か。まずは、銀行借入がある場合です。銀行借入があると、利益と無関係に資金が流出します。そうすると利益だけ見ていても、資金面で苦しくなる可能性があります。特に、利益が借入金の返済額を上回らないと、資金は徐々に減っていくことになります。

もう一つはビジネスが拡大している時です。ビジネスが拡大すると、売上が伸びるので利益は上がります。ですが、資金的に見ると、設備投資をしてそれにお金を使う、通常のビジネスでは仕入や経費の支出が先行して売上が後に追うので最初に資金が出ていく、売るために在庫を積み上げればやっぱりお金は出ていくし在庫の間は現金化しない、ということです。

それともう一つは、手元現金預金が少ない時。そうすると、仕入や売上のタイミングがズレると一気に資金不足に陥り、返済が困難になってしまいます。短期的な運転資金の変動に対応するためには、借入等である程度手元資金を多く持つことが必要でしょう。

これが、3つ重なる、つまり、手元現金が少なく、事業が拡大し、借入もある、、、となると、資金繰り的にはかなり苦しくなります。また、売上や利益を見ていても、資金の流れが見えず、「売上は拡大し利益も順調に上がっているのになんで苦しいんだろう、、、。」となります。

ということで、利益と資金のずれはあるのですが、それが致命的になってくるのは上記に挙げたような状況です。その時は、利益のみならず、資金の流れをきちんと把握し予測していくことが必要になります。もちろん、長期的には利益も大切なので両方を見ていくことになります。

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