会計事務所では財テクは勧めない

時折、「会計事務所だと、割りがいい投資案件、知っているんじゃないですか?」と聞かれることがあります。そう聞かれると結構、困ったりすることはありますが、最近、こうやって回答方法を思いつきました。今回は、そんなことをば。

ないんですよ。実は。あるかもしれないですけど、会計事務所で働いていてもそんなものはわからないです。というか、もし、会計事務所でそんなことがわかるのであれば、会計事務所という職業が成り立たない。つまり、ある程度情報が集まったら、そうやって得られた情報で資金の運用をして暮らしていけばいいですからね。

実際どうかというと、そんないい投資案件はやっぱりないんです。お客さんが持ってくる案件も、よくよく話を聞いたり、資料を見せてもらったりすると、「う〜ん」と唸ってしまうようなことが多いです。いい、とは思えないことの方が多いのです。

実際、投資、というのは、ハイリスク・ハイリターンであり、ロウリスク・ロウリターンなので、ある程度、投資で収益をあげようとしたら、リスクの高い投資をする必要があります。あまりにも利回りがいい場合は、投資詐欺も疑わないといけないですからね。ただ、会計事務所の立場としては、「リスクを取るなら本業でとってくれ」と考えるので、あまり、お客さんが財テクでリスクを取るのは好ましく思わないわけです。

じゃあ、こういった投資案件について会計事務所が全く役に立たないか、、というとそういうわけでもないのです。それは、案件の裏側を見る、ということはできます。持ってくる人は案件のいいところを強調して案件をとるわけです。ですから、会計事務所が案件のデメリットを指摘してあげることにより、お客さんは案件の表と裏を把握できるので、より良い意思決定ができるようになると思います。実際はなかなかそうもいかず、巡回監査か何かで、ヒョッこと変な勘定が出現して「なんだこれはー」となうことも結構あって困るんですからね。

なので、美味しそうな投資案件があって「やってみよう」と思っても、まずは、会計事務所に相談してみてください。実行するのはそれからでも遅くないですよ。くれぐれも、「会計事務所に相談したら、この話は破談です」という案件には乗らない方がいいと思います。多分。

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