簿記が苦手な人が確認したい基礎のこと

先日、簿記が苦手、という方の相談に乗っていました。その人との会話を通じて、簿記で意外と陥りやすい落とし穴があるので、今回はそのこと対策について考えてみます。

実は、簿記の勉強は全体像の把握から始まります。そこの部分が終わると各論に移る、という構造になります。なので、全体像の理解がきちんとできているか、ということが、まずは確認したいところです。

分量にすると、全体像の理解、はそれほど多くなく、むしろ、各論が多かったりします。すると、全体像の理解をおざなりにし、暗記に頼ってしまいます。簿記は全体像の基礎として、その上に各論が成り立っています。ですので、全体像の理解が危ういと、各論の学習が効率的に進まない、ということになります。

具体的に、簿記を勉強すると、まず初めに簿記一連の手順、ということを学びます。それは、取引(企業の経済事象)を2つの面から記録する仕訳、かく勘定科目ごとに記録する総勘定元帳、元帳等を集約した試算表、試算表から貸借対照表、損益計算書を作るという流れです。そこから、各論として、さまざまな経済事象に対してどう仕訳するか、とか、仕訳帳、総勘定元帳を、分割する帳簿組織、伝票会計ということに発展します。なので、仕訳の仕組みや簿記のメカニズムがわからないと、その後の各論の理解ができず、結局、暗記に頼り、時間が経つと忘れてしまう、ということになります。

こうなった場合、どうやって解決するか。ということ、一旦、総論に立ち戻る、ということが望ましいです。つまり、貸借対照表、損益計算書項目の理解から始まり、取引の8要素分解、仕訳、元帳転記から、試算表、貸借対照表、損益計算書の生成までの一連の流れを復習する。一旦は、暗記でもなんでも、勉強はしているので、その時は理解できなくても、立ち戻った時には、理解できる、ということはあります。これが、きちんと理解できれば、多分、簿記のことは理解できるようになります。

簿記については、苦手意識がある場合は、まず、基本に立ち戻る、ということが必要でしょう。それが、うまく機能すれば、あとはスムーズになります。基本に立ち戻る、ことは、ある意味、怖いことです。あたかも、撤退しているような気持ちになりますよね。ですが、無理やり先に進むより、一旦、基本に立ち戻った方が、結局、早い、ということなので、ぜひ、取り組んでみてください。ちなみに、今回は簿記に絞って解説しましたが、他の科目や教科でも同じことが言えるかと思います。

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