簡易課税を選ぶかどうかのチェックポイント

インボイス制が始まりました。ここで、消費税の計算方式について簡易課税にするか、本則にするか、悩ましいところですよね。当然、事務手続だけを考えると簡易課税一択なのですが、税金の多寡を考えるとそうともいえません。税金の多寡を考える、目安みたいなところを綴ってみます。

これが一番典型的な論点なのですが、将来、最低2年間の間に大きな設備投資や買い物を考えているかどうか。本則の場合、設備投資があると、その分、課税仕入が増えて、納付する消費税が減る、場合によっては還付がある、となります。簡易課税だと、高額設備投資の影響を反映できないので、こういう場合は本則が有利になります。

一方、規模が小さい場合は簡易の方が有利になりがちです。それは、社長、事業主本人の人件費が大きな仕入となりますが、そこには、消費税はかかりません。会社の場合なら役員報酬、個人の場合ならそもそも仕入や経費にすらならない、ということです。簡易課税は、本人がどの程度の割合で働いているかが、関係なく課税仕入が決まるので有利になりやすいのです。

関わる人の割合として、業務委託が多いと本則の方が有利になります。業務委託費だと基本的に課税仕入(ただし、この場合、インボイス登録をしていることを前提)となるので、課税仕入が大きくなります。逆に、雇用している人の割合が多ければ、給与や賞与は不課税取引なので、簡易課税の方が有利になりやすい。

2割免税をとっている場合は本則の方が有利になりやすいと思います。2割免税、ということは、簡易課税で言うところの、2種業種と同じ仕入割合です。業種問わずにこれが適用されます。簡易課税だと、卸売業以外は2割免税の方が有利となります。それに加えて、本則の場合は、本則で計算した消費税額を選択適用することができるので、本則の方が有利となります。

ということで、一応の目安について考えてみました。当然、実施している事業や今後の事業計画によって、どちらが有利か、ということは変わってくるし、試算は必要かと思います。ですが、こちらにあげたことも一つの目安として活用いただければと思います。

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