「決算早期化の仕組みと実務」から読む監査との付き合い方

上場企業等の大規模企業に勤められている方は会計監査を受ける、という機会も多々あるでしょう。この期間には監査人の対応等等でかなり大変なことになります。では、監査人に対してどう対応すればいいのでしょうか。

会計監査に適した決算資料を作成する

公認会計士である武田雄治さんは著書である「こうすればできる決算早期化の仕組みと実務」の中で以下のようなことを記載しております。

「アウトプット資料の検証可能性を高めるには、これらの問題点と逆のことを行えばよい。よって、

(a) 会計監査の利用可能性が高い明細を作成する

(b) 分析を十分に実施し、分析結果をドキュメントした資料を残す

(c) すべての開示物とリンクさせた資料を作成する」

監査の進捗と監査資料の関連

会計監査を行う場合は、まず、全体の会計数値の変動を見て状況を把握します。そこから、詳細な検証に移っていくことになります。そのため、会計数値の分析ができていないと、監査が始まらない、といっても過言ではありません。ここで、会社のほうで分析を十分に行ってもらえると、スムーズに監査を行うことができます。

また、会計監査においては監査調書として監査をした結果を文書として残す必要があります。会社の作成した資料が、利用することができれば、より効率的に監査を進めることができます。当該資料が開示とリンクしていると、開示のチェックをスムーズに行えるので、効率的になります。これらの資料がわかりにくいと質問の件数が増えるためわかりやすい資料を作成することが必要です。

監査を早く終わらしてもらって会計士にとっとかえってもらう

上記のような対応をいただけると会計士も早く監査を終了させて速やかに帰ることができます。そうすれば、面倒な質問事項対応が減る、または、会議室もとっておかなくてもすむようになります。また、会計士もこういう状況だと気持ちよく監査することができるので、会計士との人間関係も円滑になります。

 

実は、今回紹介させていただいた書籍は、私が監査から離れた後で購入しました。読んだときはいたく感動し、もし、そのとき、監査をしていたら、自費でお客さんに配っていました。監査をする側にも受ける側の人に一回は読んでほしい書籍であります。

————————————————————————————————————————————-

【編集後記】

昨日は所要があり会社を早めにあがりました。本を読んだり、夕食を作ったりと、少しのんびりとした時間をすごしました。

 

 

 

会計/税務/監査