「はやくやれ」、「きちんとやれ」~相反する要求事項への対応

みなさん、組織で仕事をしていると、時には「まだ終わらないのかー。」、「早くやれー。」、もう一方では、「きちんとやれ。」、「腰を据えてやれ。」という相反するような要求を突きつけられることが多いかと思います。これに対する対処方法を考えてみましょう。なお、ここでは資料作成や事務作業を想定しています。

早くやることときちんとやることのトレードオフと上司の要求

一般的に業務の速度と丁寧さはトレードオフの関係にあります。これは、業務のスピードをあげると丁寧さは損なわれます。他方、丁寧に業務をこなそうとすればスピードは遅くなります。なので、短期的にはどちらか片方を充足するともう片方が犠牲になります。

これで終われば仕方がないね、というところですがそうは問屋がおろしません。上司やお客という人たちは、時として、スピードと丁寧さ両方を求めてくることがあります。そうなると「じゃあ、おまえがやれよ。」と、ついいたくなりますが、そうも言えないところが辛い所ですよね。

その時の状況や上司に合わせる

まずは、外部の状況を把握する、ということが必要です。まず、見るべきは今の状況です。その時の業務としてスピードが優先するか、丁寧さが優先するか見極めることが大切です。同じ仕事でも、「今日中に終わらせろ。」という場合と、「1か月以内に終わらせろ。」という場合では、どちらが優先されるか当然に決まってきますよね。また、たたき台を出す場合と最終報告書を出す場合でも求められる丁寧さが変わってきます。最終成果物では、細部まで丁寧に仕上げることが求められます。

上司の性格、これもポイントです。上司がすごく細かくて誤字脱字どころかフォントサイズまで指摘くるような人の場合は少し丁寧目な対応がもとめられるでしょう。また、早くやること、残業やチャージをさせたくない人はスピードを優先してきます。このように上司のタイプによっても、どちらを優先すべきかが異なってきます。

自分の傾向をとらえ、是正する

上記は外部環境に依存する、ということですが、今度は自分自身の傾向をとらまえ修正していくことがあります。人によって、スピードによってしまう人、丁寧さによってしまう人、それぞれの人がいます。とはいえ、自分自身がどちらに寄っているかなかなかつかめなかったりします。本来であればもう少し丁寧にやるべきなのに、ついスピードを優先してしまう、ということありますよね。でも、そこが自分ではわからない。

これについては、他者の指摘に少し耳を傾けてみます。例えば、「早くやれ。」といわれることが多い場合、少しスピードアップを図ってみましょう。また、「丁寧にやれ。」と言われたら少し腰を落ち着けてみる。しばらくたつと、逆のことを言われることが多くなるかもしれません。そういう場合は、逆方向に方法を調整して適切なバランスに近づける必要があります。

最後はレベルアップして早く丁寧にできるしかない

そうはいっても、上司はより早く、より丁寧な仕事を求めてきます。そうなると最後は自分自身がレベルアップしてより早く、より丁寧に仕事ができるようにしていく必要があります。

そのためには、まずは習熟。場数をこなすことにより自分自身の能力を高めていきます。そのために、ある程度は残業をしてでもこなす仕事の量を増やしていくことも時には大切でしょう。そうやって、経験を重ねることにより、徐々に能力は高まってきます。

また、練習をしてスピードをあげる、こともあります。例えば、タイピングについてはブラインドタッチを身につければ格段に仕事のスピードはあがります。ブラインドタッチ用のソフトはたくさんあるので、良さそうなものを使ってみましょう。

さらには、業務に対する知識がスピードと質をあげることができます。知識があることによりパパッとできるようになること、ありますよね。例えば、報告書の作成や翻訳といった業務において背景となる知識があれば、作成、翻訳作業が手早く行えます。

このように自分自身の経験、能力、知識を高めることにより、早さと丁寧さのトレードオフを解消することができます。

まとめ

早さ、丁寧さのトレードオフ、その解消は結構むずかしかったりします。短期的には状況に合わせる、自分の傾向を是正する、といったように対応する。長期的には、自分自身の能力を高めることにより対応していくことが求められます。

 

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