資金と利益のズレが生じる要因 前編 減価償却

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利益と資金の流れ、概ね一致するのですが、若干乖離することもあります。それには、いくつかの要因がありまして。ここでは、利益と資金のズレが発生する要因である減価償却について、考えてみます。

減価償却とは

減価償却費とはなんでしょうか。ざくっというと、機械といった設備、建物、社用車といった、長期にわたって利用する資産、というのがあります。

そういう資産について、購入時に一括して費用として処理すると、長期間使う、という実態に合わなくなります。それを防ぐため、これらの資産を買った支出について、一定期間にわたり費用として処理する、これが減価償却費です。

例えば、1百万円で車を買って、それを5年間のると見込んだ場合、毎年20万円ずつ、減価償却費を計上することになります。

減価償却の性質

ここでのポイントは減価償却費を計上した分は支出がされていない、ということになります。

ということは、減価償却費は費用として計上されるのですが、それに伴う資金の流出はない、ということで、減価償却の分だけ、利益と資金の流れにずれが生じることになります。

これを敷衍すると、利益の金額に減価償却の金額を足すとざっくりと会社の資金の流れが把握できます。

減価償却の留意点

ただ、ここで注意したいのは、買った資産は時の経過や利用状況によりどんどん価値が劣化します。

そうすると、ある時点でその資産を買いなおす必要があるため、減価償却見合い分の資金を会社内に蓄えておかないと、固定資産を買いなおすときの資金に困ってしまいます。なので、固定資産の買いなおし資金はとっておきたいですね。

まとめ

このように、減価償却費は資金の流出を伴わない費用であるため、その計上に伴い、利益と資金の流れにずれが生じます。これについて、実は引当金の計上や評価損の計上でも同様の効果が起こるのですが、中小企業だとあまりそういったことはないので、減価償却が典型的な例となると思います。

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