会計数値を作る立場、見る立場における2階建て理論

以前、会計数値の見方について、作る立場と見る立場は異なり、見る人はもっと俯瞰的に見るべきだ、という話をしたかと思います。じゃあ、細かく正確に数字を作ることが必要ないのか、というと必ずしもそうではありません。ここでは、そんなことを綴ってみるようにします。

以前の投稿を読むと、「なんだ、会計数値は正確に作らず、ざっくりと作ればいいのか。」と思う方もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。

意思決定の指標として役に立てるためには、そもそも、数字が正確でないと意味がありません。例えば、体重計等で考えてみるとわかりやすいのですが、体重計に乗ったときに本当は50kgしかないのに、誤って70kgと表示されてしまうとダイエットにおける意思決定が間違ってしまうわけなのです。なので、会計数値が正確である、ということは絶対的に必要な条件です。

もちろん、月次決算と年度決算のように、求められる正確性のレベルが異なる、ということも当然にあるでしょう。じゃあ、月次決算が適当でいいか、必ずしもそうは言えず、意思決定の尺度となる以上、ある一定の範囲での正確性ということは求められるようになります。

つまり、会計数値を見たり読み解いたりする側にとっては、会計数値の内容を細かくではなく大きくとらえていくことが必要でしょう。ですが、見る前提として、会計数値を出来る限り正確に作っていくわけです。言ってみれば、正確に会計を作る、ということが1階にあって、その上に、経営管理のための会計がある、という2階建てとなっている、ということができるでしょう。だから、正確に数値を作る、ということは経営管理の観点からも当然に求められるわけです。

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