「簡単に冷やし中華でいいから」に少し反論してみます

夏、といえば、冷やし中華、ですよね。暑い暑い日々にひんやりとした冷やし中華はこたえられません。ただ、気になるのは、冷やし中華が簡単な料理の代名詞みたいに扱われていること。意外とそんなこと、ないんですよー。

まず、たまごを料理しないといけませんよね。冷やし中華であれば、錦糸卵かゆで卵のどちらかになります。錦糸卵、というのは結構面倒で、卵を薄く焼く、軽く冷ます、千切りにする、という、3工程からなります。ただ、薄く焼くのが結構難易度が高く、ぼくもしっくりと感じないことが往々にしてあります。ゆで卵にしても、十五分以上茹でて、殻を剥く、というのは案外と面倒な作業です。

さらに、具が全部千切りなこと。まあ、100歩譲ってハムとからならそれほど面倒ではありません。元々、薄くなっているので、それを千切りしていくのはそれほどは難しくないはず。ですが、きゅうりの千切りとかは、いったん、斜め切りしてからさらに千切りにしていくので面倒。トマトも千切りというのは面倒なものです。

麺を茹でるのも面倒ですよ。いったん、麺を茹でて、それをざるにあげて水に晒す。まあ、麺を食べるというのはそういうものともいえますが、これが煮込みうどんとかだと、ツユの中に麺を入れるだけでいいので、それと比べると麺の扱いが若干複雑なんですね。

それと、「冷たいものは冷たく」とすると、さらに面倒臭さが倍増します。例えば、切った具を再び冷蔵庫に戻す、麺を茹でて水にさらした後で氷水で締める、タレや食器も冷やしておく、ということですね。ここまでしないことも多いかと思いますが、冷やしてみると一味違うので、少なくとも、茹で上げたあと氷水で晒す、ということはしていただければと。

多分、冷やし中華は、盛り付けてタレをかけるとできる、といえば、そうなので、そこから「簡単だ」というイメージがついてしまったのだと思います。これ、SNS等でも論じられることなので、頼む方は、ユメユメ、冷やし中華は簡単である、という思い込みは捨てた方がいいと思います。場合によっては、夫婦喧嘩の火種になりうるので。

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