年末調整を廃止して確定申告に一本化する、ということが世間では話題になっています。どちかというと批判の方が多いのですが、もし、実現するとしたらどんな障壁があるか、考えてみました。
まずは、税務署のリソース。もともと、年末調整は、税務署等行政組織が行う徴税事務を法人や事業主に転嫁しているという批判がありました。まあ、それをあるべき部署に戻すという点では合理的です。なので、もし、年末調整をやめて確定申告にすると税務署のリソースが足りなくなる可能性があります。それを、軽減もしくは転嫁する必要があります。
もう一つは、会社員の理解。年末調整だと、複雑と言えば複雑ですが、とはいえ、会社の方で税金の計算、徴収、納付まで代行してくれるので会社員としての負担は少ないです。これを、確定申告すると会社員の負担が増えます。会社員は、世の中的にたくさんいるので、会社員を敵に回すと政権そのものの基盤が危うくなります。ですので、会社員の納得をどう得るのかは課題です。
最後に、繁忙期です。年末調整のピークは12月~1月、確定申告は2月中旬から3月中旬にかけてです。地続きとはいえ、分散はされています。それが全て確定申告とすると場合によっては、2月中旬から3月中旬に負担が集中してしまいます。これをどう解消するか。
ということで、年末調整事務をなくすためにどうするか、もし、導入するには考えておく必要があります。