日常生活から得られる学び (19)~留学生と駐在員、金銭感覚が異なる人同士は付合が難しい

日常生活からどのようなことが学べるか、ということを考え続け、19回目になりました。今回は、日常生活、といっても、日本から離れ、かつて住んでいたサンフランシスコにおける想い出より。ここでは、留学生と駐在員の感じ方について考えてみます。

駐在員とのランチ会

以前、サンフランシスコに留学生として生活していた時のこと。とある、日本人グループの方々と会食をすることになりました。その人たちは、その時の自分と同年代以上、まあ、駐在や現地で働いているような人たちです。

その時の会食会場は通っていた大学の近くにあるインド料理屋。日本字グループのうちの一人が、そこが評判がいい、ということを聞きつけたので、そこでランチしよう、という話になり、ちょうど私も時間があったのご一緒することになりました。

さて、訪れてみると、ランチボックスが5ドル、ランチビュッフェが11ドルです。当時、学生だった僕はランチの予算は5ドル程度、ランチボックスでちょうど、ビュッフェだと少し高いかなー、という感じです。

という風に想い佇んでいると、「11ドルだって。安いね~。」という黄色い声が響きます。この声は駐在員の奥様の声。そう、駐在員の方にしたら11ドルは安いのです。

僕は内心、「ええっ!」と思いました。よくよく考えてみると、サンフランシスコ、物価が高く、ちょっとしたところで食事すると、すぐ20ドル、30ドルくらいかかってしまいます。そう考えると、安い、といえば安いのです。

私のほうは、ランチだと、アメリカ人が好きそうなチャイニーズ(6ドル)、ピザ(1枚3ドル)と安いものを食べて、それも金がかかり飽きた、といい自分でお弁当を作っていました。そんな人間からしたら、11ドル、結構、贅沢です。

もちろん、たまには贅沢もしましたし、おいしいものも食べます。でも、それを安いとする感覚についていけず、この時をもって、このグループからフェードアウトしてしまいました。

金銭感覚の大きく異なる人との関係性の構築は難しい

私も、上海にいた時は駐在員だったので、上記の駐在員の人たちの気持ちはよくわかります。とはいえ、サンフランシスコにいたので、やっぱり、ついていけないところがあったのです。

海外に駐在すると、やっぱり日本で暮らすのと変わらない程度の生活を送るだけの給与や手当が出ます。一方、留学の場合は、社費とかでない限り、自分の懐から学費、生活費を捻出しなければなりません。バイトはできなくはないのですが、ビザの制約もあるし、勉強の合間でとなるので、それほど大きな助けにはなりません。つまり、同じ海外に住んでいるとしても、生活水準や金銭感覚は大きく異なり、なかなか、仲良くなることは難しいのです。

ここからわかることは、金銭感覚が大きく異なる人たちとは、人間関係を結ぶのは難しい。金銭感覚、これってどこへでもついてまわります。ある人にとって贅沢なことが、ある人にとって普通なこと、であれば、そこで対立が生まれます。そのため、金銭感覚が大きくなれば、大きくなるほど、一緒に行動することが難しくなります。

 

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