なぜ、平和な世の中は訪れないか、をゲームの理論で考えてみる

世界平和、誰しもが望んでいることだと思います。ですが、なかなか、そういう状況にならないのが辛いところです。どうしてなのか、ゲームの理論を使って考えてみようと思います。ここでは、ゲーム理論の基本的な概念である囚人のジレンマという考え方をモチーフにします。

平和を目指すのであれば、各国が一丸となって、平和に取り組む必要があります。わかりやすく言えば、一つとしては武器は持たない、軍備はしない、殺傷力の高い兵器は禁止する、というように、軍縮を進めれば、戦争はおこりようがないですよね。逆に、各国が競って軍事力を上げれば、そこで、偶発的に戦争が起こったり、軍事力を持って、自国の主張を通そうとする動きが出やすくなります。なので、各国が軍縮を進めればその分平和に近づくことになります。

ですが、そうはならない、というのが、なかなか、世の中の難しいところでしょうか。それをゲームの理論を用いて考えてみます。

前提として、A国とB国のふたつを考えます。国力としては、ほぼ同じくらいで、やろうと思えば同程度の軍事力を持つことを可能としてます。また、A国、B国には、最大限の軍事力を持つ、という選択肢と、軍事力を一切持たない、という二つの選択肢があるとします。

そうした場合、理想的な状態としては、A国、B国、それぞれが軍事力を持たないことです。軍事力がなければ、戦争は起きないですし、軍事力を強化するための予算は別に充てることができます。これは、A国、B国にとってはありがたい。

逆に、A国、B国にとって、最悪な状態は、自国は軍備せず、相手国だけが軍備をした場合です。その場合、相手国からいつ攻められるか分からない、自国は常に相手側からの侵略を恐れなくてはならない、それを防ぐためには相手の言うなりになってしまう可能性がある、ということになります。これは怖いですよね。逆に自国が軍備しておけば、

さらに、A国、B国が軍備すればどうでしょうか?そうした場合、一方的に侵略されることはないので、自国の主権はある程度確保できそうです。ですが、お互いが軍備している都合上、偶発的な戦争はおこり得ますし、また、軍備にも一定の予算がいるので、負担は増えることになります。状況としては、お互いが軍備しないよりは悪いが、相手国だけが軍備されるよりははるかにマシ、と言うことなります。

つまり、各国が得られるメリットは、①自国が軍備し相手国が軍備をしない、が、最も高く、②お互いが軍備しない、③お互いに軍備する、④相手国が軍備し自国が軍備しない、の順となります。

そのことを前提として、A国とB国がどうするか考えてみましょう。まず、B国が軍備をしない場合は、A国は軍備をした方がいいです(① vs②です)。また、B国が軍備をした場合もA国は軍備した方がいい(③ vs④)となります。つまり、B国がどういう選択肢をとっても、A国は軍備をした方がいい、となります。逆にB国同じく、A国がどういう選択肢をとってもB国は軍備をした方がいい、となります。となると、結論としては、A国、B国ともに軍備をする、ということになってしまいました。

モデル上はこうなりましたが、現実社会でもそうなるんじゃないかな、、、と思います。ある国が軍備を増強すれば、その隣国はやっぱり軍備を増強する、ということになります。そうなれば、さらに軍備を増強する、というように、軍拡競争みたいな状況、実際に国際情勢をみるとあるあるな状況だと思います。

ということで、なかなか、軍縮が進まず、世界平和に近づかない、というのはなかなか辛いところです。特に、国力が均衡しているとこうなりがちです。超大国が一国あって、そこが全世界に睨みを効かせるような状況であれば、こういうことはおこりにくいですが、それはそれで弊害もあり、難しいところです。

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