人の心の洞察力を高めるための方法論〜人の気持ち編

前回は、人の心を洞察するためには自分の心をわかることが大切、と書きました。とはいえ、自分の心だけではダメで、人の心そのものを推しはかれないとダメなのです。今回はどうやって人の心を推しはかるか考えてみました。

それは、人の心と自分の心の差を理解することです。当然、背景や文脈が異なるので、同じことでも、自分の感じ方と相手の感じ方は異なりますよね。その差を着目していくと言うことが必要です。

それは、個々の相手とのやりとりから学ぶ、ということもあります。例えば、友人が料理をしていました。自分は、もし自分が相手だったとしたら、手伝ってもらえると嬉しいだろうな、と、手伝ってあげたのですが、どうも相手はあまり嬉しそうではありません。そこで、なんでだろうと考える。そうすると、実はその人は料理が好きで自己表現と考えているから手を出されたくない、という仮説を思い付きます。次は、その仮説に基づき、あえて手を出さずに見守っていると、実は楽しそうだったりする、ということがあります。この仮説を立てたり検証したりする過程で相手の気持ちが把握できるようになってきます。

ここでのポイントは自分が感じるであろう考えや感情と、相手の言動や表情から類推される考えや感情の差異を把握し、分析する、ということ。つまり、自分の気持ちや感情がきちんと掴めていないと相手の感情もわからないということになります。

もう一つは、類型を学ぶ、ということ。それは、コミュニケーション、異文化、心理学、等々でどういう人がどういう状況になると、どう感じたり行動するか、ということを学問的に習得していく、ということもあります。そうやって、自分の心の中にパターンを作って、そこから人の気持ちを把握していくということです。この場合は、時としてステレオタイプになるリスクもあるのでそこは注意が必要。

最初の方法は接近戦で一つずつ相手の心を把握していく。後者の方法は、学術的に一般論的に人の心を把握する。個別対応と一般論、どちらも大切で、それを行ったり来たりしながら、人の心が読めるようになってくるのかなと。

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