人事は多様であるべきか、画一であるべきか

会社の人事を考えるにあたって、それが多様であるか、画一であるのか、ということは難しい問題なのです。多様と画一、それぞれのメリットについて考えてみます。なお、ここでは、職種や業種の違いはひとまずおき、一般論として考えてみます。

従来の社会は画一的な人事が行われていた、と言われています。勤務時間、勤務場所、仕事の内容、昇進ルート、評価基準等等。大企業であれば、部署等によって違ったりもしますが、中小企業は画一的にならざるを得ない面があったと思います。年功序列制の賃金や昇進も、年齢や勤続年数という一つの指標を重視する、ということで、画一的な人事を可能にしました。

画一的、のメリットは、運用が簡単なことです。画一的、ということは、それしか方法や尺度がないので、非常にシンプルです。それと、評価軸が画一であれば、評価がシンプルになり公平性が担保しやすいのです。

ですが、画一的な人事、というものは、一定程度の限界があります。まず、画一性の中では力が出せない、という人はいると思います。向き不向きというものです。極度な夜型の人には、9時5時で働くのは辛い、ですよね。また、個人的な事情、例えば子育てや介護、健康状態があると、画一性の中では対応できない場合は往々にしてあります。

そのマイナスを埋めるべく、人事に多様性を導入する、ということはあると思います。多様にすることにより、各人の状況に適した業務配分や評価をすることが可能となります。業務であれば、各人の能力を業務に合うよう伸ばす、のではなくその人にあった業務を配分する、ということもあるでしょう。また、フレックスタイムのように出社時間を弾力化すると各人の状況や性質に合わせやすくなります。

結局、画一制を高めるとその中から溢れてしまう人も出てくるし、逆に多様性を高めると管理が困難になります。そのレバーをどう調整するか、というのが、人事マンの腕の見せ所、なのではないでしょうか。

ビジネス