会計事務所はうまい話の裏側を伝えることが仕事

会計事務所をしていると、時折、「なんかうまい話ないの?」と聞かれることがあります。会計事務所にそんなことを期待されても困る、ということが実情です。ですが、うまい話に対して何もできないかというとそんなことはありません。今回はそんなことをば。

まあ、会計事務所にうまい話が集まるようであれば、自分たちもそのうまい話で儲けてお金を貯めるので、会計事務所なんて仕事は続けていませんよ。ないからこそ、地味に会計事務所という商売を続けているわけです。

確かに、お客さんから、「この案件どうなのよ?」と聞かれることがあります。ですが、「それはいいですね」と言えるような案件は少ない気がします。確かにメリットもあるけど、デメリットも大きい。具体的に、あ補助金であれば事務処理もあるし採択されないこともあるしやらないといけないこともある、節税や保険であればキャッシュが外に出てしまう、投資案件はリターンもあれば、それに伴うリスクもあります。そもそも、詐欺であることもありますしね。

もちろん、会計事務所は保守的なので、マイナス面の方が目に見えてしまうことが多いです。聞かれれば、意見を言いますが、聞かれなければ、「うーん」と思いながらも、何もできません。やってしまったことは仕方がないですからね。そういう時は、「ぼくの意見を聞いてくれればな」と思うことがあります。

もちろん、会計事務所的な保守的な見方が全て正しいわけではなく、リスクや手間を取るからこそ、リターンを得られる、ということもあります。

ここで言いたいのは、会計事務所の意見を通して案件の裏側を見ようとする、ということができるのではないかなと。つまり、案件を持ってくる人は、リスクも言うのですが、どちらかというとメリットを強調する傾向があります。基本的には、それを売りたいという意図があるからなんですけれど。なので、会計事務所の保守的な意見を聞くことにより、案件のマイナス面を見れるわけです。そうすると、結局、案件の表裏を見ることができるので、判断が適正になりやすい、のかな。

つまり、案件のマイナス情報を提供することが、うまい話に対する会計事務所の役割かな、と思います。肌感覚としては、そんなにうまい話はありませんよ、とは思っているところです。

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