経済政策を考える3つの視点

選挙の時期がやってきました。それぞれの候補者が色々な政策を公約としてかかげてくると思います。それを評価するための3つの視点を考えてみます。

一つは経済成長。つまり、今あるパイ、経済的な果実(GDP)をどうやって大きくしていくか、ということに焦点を当てます。パイが大きくなればなるほど、一人当たりの果実も大きくなるし、国全体が豊かになると考えられます。ただ、どのように分配されるかという考慮はないため、富が偏在する可能性があります。特に、現在は競争社会であるため、成長を志向し競争をあおればその分、みんな頑張って国力はあがりますが、その反面、勝者と敗者の差がひろがり、貧富の差が拡大する可能性もあります。

もう一つは再分配。つまり、富めるものから税金等で富を徴収し、それを窮乏するものに分け与えます。こうすることにより、勝者と敗者の差が縮小し、貧富の差も縮まります。ただし、再分配に重きを置きすぎると、稼ぐ人から取り立てる、ということになるのと、逆に頑張らなくても救済される、と思うため、稼ぐため成長するための意欲がわきにくくなります。そうすると、国全体としての富の総和が小さくなり、また、国全体の競争力が低下する可能性もあるでしょう。

最後は財政規律。つまり、できる限り収入を大きくし、支出を減らし、国債等の債務の有り高を減らす、ということです。家計レベルでは当たり前なのですが、国全体としては、そこがあまり気にされていません。結局、財政規律を重んじて支出を削減すると成長のためにも再分配のためにも資金を回しにくくなります。また、政治家は、自分の立候補や名前を重んじて、財政支出の削減のように痛みを伴う政策をしたがりません。その結果、財政規律を担保するのは難しいという状況です。

これの3つの視点のうちどこかがどこかに偏ると、弊害が強くなってしまいます。なので、この3つのうちどこかに焦点を絞るといいでしょう。

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