事業承継をする、家業を継ぐ、ということになった場合、継ぐ前はどのように振る舞ったらいいのか、ということありますよね。この話は結構奥が深いのですが、ここでは、単純に家業に戻った後、一番、力を発揮できそうなところを考えてみました。
検討する事項は大きく2つ。どういう仕事をするか、と、どの程度仕事をするか。
まず、どういう仕事をするか、ということですが、完全には一致していないがかといって離れ過ぎてもいない、ということです。つまり、完全に同じ、だと、入った後はスムーズですがその後、差異を作りにくく、イノベーションや改善が起こしにくい、ということがあります。他方、差が著しいと家業に戻った時にゼロスタートになるので、結構、負担が大きいのです。ということで、ほどほどに違って同じ、ということがお勧めです。
あとは、大手か中小か、という議論であれば、実は大手がいい。これは、大手の方が仕事の仕方、人事、福利厚生、リスク管理、ITということが整備されている。ここで、あるべき業務プロセスをみておくと家業に戻ってから、そのままは導入できなくてもプロセスを変えていく道標になります。
あと、職種は営業ができるといいですね。営業、というのは、トップセールス、という言葉もあるように、中小企業であればあるほど営業というのはトップの仕事です。仕事をとってこないと、言い換えると仕事がないと、社員にご飯を食べさせることができないのです。それができると、元からいる人たちの尊敬を集めやすくなります。
もう一つはどの程度仕事をするか。10年くらいかな。これも上と同じで程よいことが大切です。あまりに早く戻ってきすぎると、家業に染まってしまいそこを変えることができなくなります。相対的に見れなくなります。逆に、年取ってから戻ると、キャッチアップが辛くなります。10年だと、22歳で就職すれば32歳と年齢も程よく、かつ、10年あれば結構な経験が積めるし、10年間同じ仕事でもいいし、5年、5年でもいいし、10年は一つの目安になる年齢かな、と思います。