相続の折に多額の現金を持つことはやめたほうがいいですよ

よく、相続の際にひょんなところから多額の現金が出てくることがあります。その一因として、相続対策(?)として、現金で持っておけばそれは相続税の申告財産に含めなくていい、という、思い込みがあるようです。こういうことはやめたほうがいいですよ、ということを綴ってみます。

相続発生時(通常は相続される人が亡くなった日)に、亡くなった人が持つ財産はなんであれ相続税の申告の対象となります。なので、多額の現金が相続発生時にあれば、それは相続財産に含めるというのが法律に定めるところとなります。

ただ、現金だと申告しなくていいかな、、、と考える場合もあります。というのは、預金のまま置いておくと、通帳を記帳したりとかして、すぐに残高がわかってしまうので、相続財産に含めざるを得ない。だが、現金だと記録に残らず、タンスに隠しておけばいいだろう、と考えてしまうわけですね。

ですが、基本的には預金から現金を引き出しているわけですので、おろしている現金が多額になればなるほど不自然な預金の出金が増えてきて、この出金の使途を追求されるとそれを言いわけるのは相当難しいのかな、、と思います。例え、それをうまく糊塗したとしても、ばれなければいい、というわけではないし(脱税ですよ)、バレることを不安に思いながら生活をするのは精神的な負担は多いかなと。

あと、現金で持っていると、災害、盗難、紛失等のリスクにより滅失してしまう可能性があります。そうなってしまうと、現金は後が残らず、もともとの立証手段もないことから、これを取り返すのは結構難しいです。

ということで、相続対策として現金を手元に置いておくのは、意味がないのでやめましょう。もし、相続財産を整理しておいている時に大量の現金が出てきたらどうするか。まあ、そのままだと紛失したりすると困るので、新しく口座を作ってそこに預け入れておけばいいと思います。それで、分割協議がまとまったら、その口座から現金を受け取ることになっている人の口座に振り返ればいいのでは。もちろん、相続税の申告については、その現金を含めて行うことになります。

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