ストレーツタイムズからアジアをのぞく(10)~インド、高額紙幣禁止の効果

2回続けてインドネタ。今回は、最近、インドにおいて多くの会社登録を取り消した時のことです。実は、この会社登録の取り消し、昨年の11月頃に起こったある政策(事件?)に起因しています。

100,000もの会社の登録を解除したぜ

インド政府は100,000以上の会社を、「法令に違反している」ということで、登録を解除しました。これは、インド政府のブラックマネーと脱税を取り締まったことによる成果だ、とモディ首相は主張しています。

この件は、2016年11月の突然の高額紙幣禁止による、徹底的なデータ分析に基づきなされています。その結果、300,000の会社が調査され、100,000の会社の登録が名前の公表をなしに取り消されました。

これからも、データ分析を続け、法に違反している企業の洗い出しを続けています。すでに、37,000もの違法取引をしている会社にたいして対策をうっていく、ということを予定しているようです。

インド経済において大きな影響を与えた突然の高額紙幣禁止、それについて効果ができてよかった、といったところでしょうか。

親記事リンク:indias modi says cancelled registration of 100000 companies

そもそも、高額紙幣利用禁止って?

それは、2017年11月にそれまで利用できていた 500ルピー札、1,000ルピー札が利用できなくなったことです。法律の施行はまさに「いきなり」で、2017年11月7日の晩に公表され、2017年11月8日にはすでに利用ができなくなった、ということです。で、新たに500ルピー札と、2,000ルピー札を発行し、銀行にて旧札と新札を取り換える、ということになりました。ちなみに、クレジットカードは普通に利用できていたようです。

実際、この法律が施行されたときにはインド国内は一時騒然となりました。それはそうです。一夜にして高額紙幣が使えなくなってしまった、日本でいえば、5,000円札と10,000札が使えなくなってしまった、ということですよね。それがもとで、特に中小事業者や農家の人たちがお金を使えなくなってしまい、事業をする上で非常に大変だったようです。それに、新しい紙幣を擦った、といっても、インド国民全体にいきわたるには時間がかかります。ATMは実質的に動いておらず、銀行の前は大行列。特に、週末(この時は週末も銀行は営業していたようです)盛大な行列ができていました。この混乱は2~3週間続いたようですよ。

背景としては、不正に蓄財している会社/個人を摘発するためだ、と言われていました。インドでは、預金口座があまり利用されておらず、現金でため込む傾向があるようです。悪人も、「スイスに秘密口座を作って。」というようなことはなく、現金で貯めているのでしょう。で、高額紙幣の利用を突然とめてしまい、会社や個人が紙幣を取り換えにきたところで、不自然にお金を持ち込んできた会社や個人を特定し、調査して、それで、今回のような会社登録の取り消しにつながっている、ということです。こう見ると、「突然」というところに意味があって、前もって公表すると事前に備えられてなんの意味もなくなってしまいますからね。

この高額紙幣禁止、なかなか、過激な政策ですが、一定の成果をあげているようです。ですが、さすがはインド、日本ではこんな過激な政策とれないだろうな~。

ちなみに、私はこの時期インドにいました。以下の様に旅行記にも記しているので、興味のある方はご一読ください。

インド高額紙幣利用禁止(1)
インド高額紙幣利用禁止(2)
インド高額紙幣利用禁止(3)

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